top of page
執筆者の写真Massako Mizoguti

オブラーテン

旧ホームページ(この記事は2010.3にアップ)より転載


クリスマスになると、ドイツの友人より毎年レープクーヘンが届くのですが、

2年前のエリーゼン・レープクーヘンと名前のついていたレープクーヘンの底には

オブレアス?と気になった、薄いせんべい状のシートがついていました。

というのも、スペインの菓子には、トゥロンをはじめオブレアスが多用されるからです。

2009年のオブラーテン・レープクーヘンの裏側。


それで、去年は、ドイツではオブレアスをオブラーテンと呼ぶらしいことを調べ、

オブラーテンそのものを送ってほしいとお願いしました。


すると、製菓用のものもあるが、子供用のオブラーテン「食べる紙」(色つきの四角いもの)もある、とのこと。

「食べる紙」は是非!とお願いして、送ってもらったのが、上の写真のオブラーテンあれこれです。

北フランスにも、子供用のカラフルな「食べる紙」があるようですし、

ベルギーの駄菓子の中にも、2枚をあわせた中に砂糖を入れたものなどあり、

ドイツの子供用はどんなものか、興味深々で到着を待っていたわけです。


長方形の色紙のような「食べる紙」Essoblaten, Eetpapier は、

うす甘い味がして、かるく香料も入っていました。

小麦粉製ですから、ちゃんと食べられます。

昔の日本の駄菓子で、薄荷味やにニッキ味の砂糖蜜が全面に塗られていたり、

砂糖蜜で絵が描かれた「(食べる)紙」は、味がなくなると出したらしいです。

今では親が食べさせたくないと思うような駄菓子でしょうけど、

駄菓子の本領発揮といったところです。

会津の駄菓子資料館の「ニッキ砂糖紙」


日本の主に医療用オブラートはオランダ語からのようですが、ヨーロッパのパリパリのオブラーテンから、

あのような薄くしなやかなオブラートをつくってしまう日本人ってすごいです。

製菓用にも、ヌガーや飴を包んだり、目立たないところでもかなり使われてきましたが、

最近は包装資材の進化で、あまり出会わなくなっています。


また別に、鎌倉時代より日本にもお米製のオブラーテンのようなものがあったようです。

日蓮上人の手紙にも出てくる「十字」はそのようなものではなかったかと思っています。

保存・携帯が可能な上、湯や水につけることにより柔らかくなり、薬を包んで服用したり。

きっと病人などにも負担のかからない食事ともなったことでしょう。

2010.3

Comentarios


bottom of page