top of page
執筆者の写真Massako Mizoguti

フランドルのクリスマスのブリオッシュ

旧ホームページ(この記事は2007.12にアップ)より転載


ふと立ち寄ったお店でこの陶板を見つけた時は、胸が躍りました。

お店の方に聞くと「ニュルンベルク製のオーナメントです。」とのこと。

その時、今年のクリスマスにはこれであのブリオッシュを焼こう!と決めました。


このフランドルのブリオッシュには、スペイン統治時代の名残が隠されています。

最初にのせた飾り「パタコン」はスペイン銀貨だったそうです。

「パタコン」は銀貨の通称だったとか。

写真のような陶板のパタコンをのせたものも、珍しくなったようで、

今はもう博物館などでお目にかかれるくらい。


このようなクリスマスのブリオッシュは、フランドルに限らず各地でつくられます。

そして、その形はとってもユニーク。

糸巻きの形、頭をふたつ持つ形、骨、ヒトガタ、御包みの幼子、などなど。


クリスマス期間は新年をまたいで、1月6日のエピファニーまでの12夜です。

その間にいろんな形のブリオッシュが

それぞれ見過ごせない意味がたっぷりと練りこまれ、焼かれています。




パタコン、またはロン 写真はブルージュの民族博物館のコレクション。

photo/K. Nakayama


パタコンが付けられたクニュ(ヴォラールト)とパタコンの型が展示されてます。

パタコンは白地が基本。この白いクレイ粘土はゲルマン語圏で「パイプ粘土」とよばれ、他のブリオッシュでも飾りとして使われています。

「パイプ」には、「パタコン」同様、大航海時代のスペイン(メキシコ)の影響がある。クレイパイプを持つヒトガタパンが今もドイツでつくられている。





この頃東京でもヒトガタパンが売られてるのを見かけます。

左から、ボノム(カイザー)、グリティベンツ(成城石井)。

日本ではひとり有名なジンジャーブレッドマンだって、お仲間に違いないのです。

2007.12

Comments


bottom of page